今回はタイムスリップ時代劇漫画の感動物語「JIN-仁-」です。

こちらの作品はドラマ化もされて大ヒットしたのでご存知の方もたくさんいると思います。原作とはラストがちょっと違っていたりはするのですが、どちらも素晴らしいものでした。

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漫画DATE

JIN-仁-
連載期間 2000~2010
作者 村上もとか
掲載誌 スーパージャンプ
出版社 集英社
巻数 全20巻、文庫版全13巻

あらすじ

脳外科医である南方仁がある急患の手術を終えた後、その患者がまだ絶対安静の身にも関わらず病院から脱走しようとします。その患者を追っていた仁は誤って階段から転落してしまい気付くとそこには見慣れない景色が広がっていました。なんとそこは幕末の江戸で、仁はタイムスリップしてしまったのです。

そこで生活していくうちに現代にはもう戻れないのかもしれないと感じるようになった仁は自分の持っている医療の知識を惜しげもなく江戸時代の医師たちに広める事に尽くすと決めます。

そんな仁の周りにはそれまでは歴史上の人物だった坂本龍馬をはじめとする幕末の偉人達が集まり、激動の歴史の流れの渦の中に仁自身も身を置くことになります。

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幕末の時代を生き抜く女性たち

この漫画の中で作者は江戸時代の反映の中にあり、一見華やかに見える遊郭である吉原において生きる女性たちの光と影の部分を描きたかったと記してありました。

当時のある種、男性たちの憧れの的であり綺麗に着飾った遊女たちですが、その裏では梅毒がまん延しており、その治療法や薬も確立されていなく、検査自体もない時代に、男性の欲求を満たすためのみに生き、最後は身も心もボロボロになり死んでいった女性たちの事を漫画の中だけでも救いたかったという思いが溢れています。

そんな遊女達だけではなく、国を動かす為に奔走する男達を影で支えながらも、たくましい女性たち。古き良き時代の女性像が描かれていると思います。

そこで今回はそんな魅力的な幕末を生きる女性に焦点を当て、その中から三人を選び書いていこうと思います。

こんな素晴らしい女性たちをランキングにするのは申し訳ないので(笑)普通に三人順番にご紹介していきます。

其の三 浅草の団子屋の看板娘 茜

江戸の町の中でも賑やかな浅草、そこの団子屋で働く看板娘の茜は容姿端麗で彼女目当ての見物人が出来るくらいの皆の憧れの的です。

そんな彼女はある日仕事中に顔に大やけどを負ってしまい一度は二度と人前には出られないのではないかと思うようになります。しかし仁の手により当時の医療ではどうしょうもない状態だったものを奇跡的に、皮膚の移植を行うことで傷跡を軽減し、また団子屋の看板娘として店に立ちます。

それから茜は、何度となく火事に襲われる江戸にありながら逞しく復興を目指す町民を元気づけるため輝き続けます。

また茜は仁から教わった安道名津をはじめとする商品をどんどん健康促進のために広めることへ力を入れていきます。仁によって新しい自分の道を広げていった一人です。

仁の助手である橘咲の兄である橘恭太郎に密かに惹かれています。恭太郎が勝海舟のススメで海外へ留学することが決まると、いつまでも待っていると約束をします。

結果恭太郎は留学することなく命を落としてしまい、切ない悲恋となります。いい女なんですこの茜さん。幸せになって欲しかった!

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其の二 唯一の理解者 橘咲

出た、咲さん!仁が自分の秘密を最初に打ち明けた女性です。まだ十代の女の子とは思えないほどしっかりしていて、倍以上年の違う仁を時には胸に抱きしめて守ってくれたりします。

ていうか「仁しっかりしろや、現代の男はなめられちゃうぜよ」とツッコみたくなる時もありました、仁はすぐ泣くし笑

そんな仁がこの幕末の時代を生きていくことが出来たのは咲さんがいたからでしょう。

自分の痛みよりも仁の痛みを心配し、全て打ち明けられ、いつ元の時代に帰ってしまうかも分からない仁のプロポーズも受け入れます。仁が渡した婚約指輪を大事に持っていて大事な時には指にはめる、その仕草の美しいこと。

なんなんでしょう、この時代の人たちの美しさは。

男性は国の未来を本気で案じて奔走して短い生涯を全力で生きる、それを陰ながら支えていた女性たち。このような人達がほんの150年前くらいにはこの国いたということを忘れないようにしたいなと思います。

ちょっと熱くなって長くなってしまったので、次の記事で「其の一」と遊郭「吉原」について書いていきたいと思います!